ジャグリングにおいて、技の表記に「サイトスワップ」というものを使います。
今回はこのサイトスワップについて、初心者向けに解説していきます。
ここで言う初心者は、”3ボールカスケードが少しずつ続くようになってきた!”レベルを想定しています。

はじめに

サイトスワップの話をする前に、トスジャグリングの基本である軌道について説明します。
3個のボールをジャグリングするときは、下図のようにボールを右手から左手、左手から右手と斜めにクロスして投げます。

この記事を読んでくれている皆さんは、このことは知っていると思います。
ではボールが4個に増えた時、どのように投げるでしょうか?

一般的に、ジャグリングのボールはクロスして投げていると思われがちですが、4個の場合はクロスしません。
4個のジャグリングは、下図のように片手で2個ずつ投げます。
高さが3個よりも高くなっていることも確認してください。

もちろん4個で斜めにクロスして投げることも可能ですが、一番オーソドックスな4個のジャグリングはこれです。
始めのうちは片手で2個投げるとめちゃくちゃボールがぶつかります。
そこでイメージしてほしいのは下図の左です。

ボールは直線的に投げるのではなく、”円”を描くように投げます。
つまり、内側から外側に飛ばすようにボールを投げます。
こうすることでボールの衝突を防ぐことが出来ます。

最後に、ボールを5個に増やした時のジャグリングです。
5個ではまたしてもボールが斜めにクロスします。

高さについても、3個や4個よりも高くなっています。
同じように考えていくことで、6個や7個でのジャグリングの軌道もわかるのではないでしょうか。

以上をまとめて、トスジャグリングの軌道に関して覚えてほしいことが次の2点です。
① ボールの数が増えれば軌道は高くなる。
② 奇数個は斜めにクロスして投げ、偶数個は÷2した個数を片手で投げてクロスはしない。

ここまでが基本的な軌道の話でした。
ここから、本題であるサイトスワップについて解説していきます。

サイトスワップとは

ウィキペディアには次のように説明されています。
サイトスワップ(Site swap)とは、トスジャグリングのパターンを表すための非負整数列表記法、またはその表記法に従って表記された数列”

一言で表すと、「サイトスワップ=数字」です。
トスジャグリングの技を表すためにサイトスワップを用います。
以下に代表的なサイトスワップをいくつか表しておきます。

・代表的なサイトスワップ
441、531、423などなど…。
これらがそれそれ全く違う技を表しています。
次で数字の意味について解説します。

数字が表しているもの

簡単に言えば、1つ1つの数字は投げるボールの高さを表しています。
(※厳密には時間間隔だが、今回は初心者向けの内容なので難しいことは次回以降解説します)
数字が大きくなればなるほど、ボールを高く投げる必要があるということになります。

もう少しだけ詳しく説明すると、「その数字の個数ボールを投げる時の軌道」です。
サイトスワップの3は3個投げる軌道、4は4個投げる軌道です。
つまり、数字が大きい→たくさん投げる→軌道が高い、という風に考えられます。

・サイトスワップの0,1,2について
3個以上はその個数分投げる時の軌道ですが、0,1,2に関しては少し特殊です。

0:手に何も持っていない状態

1:手渡し、3よりも低く右手から左手、左手から右手にボールを渡します。

2:ボールを保持し続ける

・十以上はどのように表記するのか?
例えば、サイトスワップで10と書いてあったとします。
これは”いちぜろ”という意味で”じゅう”という意味ではありません。
サイトスワップの十以上はアルファベットを用いて表記します。
10=a、11=b、12=c、13=d、と続きます。

参考までに、サイトスワップで”a”と表記すると、下図のような10個のボールでの軌道を意味します。

※シミュレーターなので10個のボールでジャグリングしていますが、実際にここまで投げられる人間は世界中を探しても存在しません。笑

具体的なサイトスワップ例

先ほど紹介したサイトスワップについて図を用いて解説します。

・441
441は、高い→高い→低いです。
軌道で言えば、4の軌道→4の軌道→手渡しとなります。
連続で441を投げると下図のようになります。

・531
531は、高い→普通→低いです。
軌道で言えば、5の軌道→3の軌道→1の軌道となります。
連続で531を投げると下図のようになります。

・423
423は、高い→低い→普通です。
軌道で言えば、4の軌道→保持→3の軌道となります。
連続で423を投げると下図のようになります。

同じボール3個の技でも、サイトスワップ次第でかなり見た目が変わることを知ってもらえたのではないかと思います。

<参考>
ジャグリングの技には、全てのボールが同じ軌道で動いているものと、ボールによって軌道が異なるものがあります。
3ボールカスケードや441は全てのボールが同じ軌道で動いています。
531と423はボールによって軌道が異なります。
詳しくは次回のサイトスワップ記事で紹介します。

今回はここまでです。お疲れさまでした。
次回はもう少し踏み込んで解説しようと思っています。
サイトスワップを使いこなせるようになるのが目標です。