お店は、余っているお金を誰かに貸したり、お金が足りないとき銀行から借りたりすることで、最大限お金を有効活用しようと努めます。
このようなお金の貸し借りを明らかにするために、借用証書や手形を用います。
今回は、お金を貸し借りした時の処理について解説していきます。

お金を貸し付けた時

①A商店は、現金100円をB商店に貸し付けた。

(貸付金)100 (現金)100

A商店は、現金100円をB商店に渡しているので、現金(資産)が減っています。
また、貸し付けたお金は後で返してもらうことが出来ます。

この、お金を後で返してもらえる権利は、貸付金かしつけきんという勘定科目で処理します。
貸付金は、資産に分類されます。

貸付金を返してもらった時

②A商店は、B商店から貸付金100円の返済を受け、利息10円とともに現金で受け取った。

(現金)110 (貸付金)100
      (受取利息)10

貸付金を返してもらった時は、お金を後で返してもらえる権利がなくなるので、貸付金(資産)の減少として処理します。

また、貸付金にかかる利息は、受取利息うけとりりそくという勘定科目で処理します。
受取利息は、収益に分類されます。

お金を借り入れた時

③A商店は、取引銀行から現金600円を借り入れた。

(現金)600 (借入金)600

銀行などから借りたお金は後で返さなければなりません。
この、お金を後で返さなければならない義務は、借入金かりいれきんという勘定科目で処理します。
借入金は、負債に分類されます。

借入金を返した時

④A商店は、取引銀行に借入金600円を返済し、利息とともに現金で支払った。なお、利息の年利率は2%で、借入期間は10ヵ月である。

(借 入 金)600 (現金)610
(支払利息)10

借入金を返した時は、お金を後で返さないといけない義務がなくなるので、借入金(負債)の減少として処理します。

また、借入金にかかる利息は、支払利息しはらいりそくという勘定科目で処理します。
支払利息は、費用に分類されます。

・支払利息の計算
支払利息は、以下の計算式を使って、月割りで計算します。
利息=借入(貸付)金額×年利率×借入(貸付)期間/12ヵ月

今回の例では、利息の金額は以下のようになります。
支払利息=600円×2%×10ヵ月/12ヵ月=10円

お金を貸し付け、手形を受け取った時

一般的には、お金の貸し借りの際、借用証書を用います。
しかし、借用証書の代わりに約束手形を用いることもあります。
最後に、お金を貸し付けて、約束手形を受け取った場合を確認しましょう。

⑤A商店は、B商店に現金100円を貸し付け、約束手形を受け取った。

(手形貸付金)100 (現金)100

お金を貸し付けて、約束手形を受け取った場合は、通常の貸付金と区別するために、手形貸付金てがたかしつけきんという新たな勘定科目で処理します。
手形貸付金は、資産に分類されます。

お金を借り入れ、手形を借り入れた時

⑥A商店は、現金100円をC商店から借り入れ、約束手形を渡した。

(現金)100 (手形借入金)100

お金を借り入れて、約束手形を渡した時は、通常の借入金と区別するために、手形借入金てがたかりいれきんという新たな勘定科目で処理します。
手形借入金は、負債に分類されます。

貸付金・借入金まとめ

貸付金と借入金の処理のタイミングをまとめています。
下の図を参考に復習してください。
なお、手形貸付金・手形借入金でも処理は同じです。

今回、新たに出てきた勘定科目

・資産
貸付金、手形貸付金

・負債
借入金、手形借入金

・純資産(資本)

・費用
支払利息

・収益
受取利息