今回はジャグリングにおける、ピルエットついて解説します。

<ピルエットとは>
片足を軸に、体を一回転させる技術のこと。
主にトスジャグリングでは、3ボールカスケードなどの定常状態からボール1つを高く投げて、体を一回転させ元の状態に戻る技の時にピルエットを用います。

今日は一番最初なのでボールは使用せず、「体の使い方」と「ピルエット自身のやり方」について説明していきます。

<補足>
ピルエットという言葉はバレエにもあります。
バレエとジャグリング、どちらのピルエットも体を回転させることを意味します。
ただ僕自身バレエは全くできず、あくまでジャグラーなので、今回はジャグリングにおけるピルエットの解説になります。

はじめに

今回の内容も、YouTubeに動画で解説したものがありますので、こちらもご覧ください。
動画を見ながら練習することを一番お勧めしますが、この記事では、動画の中では説明できなかった補足の説明などをしていきます。

ステップ1:軸足の決定

ピルエットの練習における第1ステップは「軸足の決定」です。
どっちの足を軸足にしてピルエットするのかを最初に決める必要があります。

正直、右足軸と左足軸とで大きな違いはありません。
その場で何回か回ってみて、自分が回りやすいと思う軸足に決定します。

<注意事項> …回転方向には気を付けましょう!
ピルエットをする時には、体の前面から回る(前回り)ようにしましょう。
背中から引いて回るような後ろ回りも出来ないことはないですが、一般的ではありません。
ジャグリングでは基本的には前回りでピルエットをするので、体の前面から回るようにしましょう。

両方の足を軸足に何回か回ってみて、どちらが回りやすいか決定します。

回りやすさが左右で全然変わらないという人は
・右利きなら右足を軸に
・左利きなら左足を軸に
決定することをオススメします。
この決め方の詳しい理由は、投げるボールと関係しているので次回の記事で解説します。

実際、僕は右利きですが、左足軸が回りやすいので左足軸でピルエットしています。
あくまで自分が回りやすいと思う足を軸足にしましょう。

軸足を決める優先順位は次の通りです。
1. 回りやすさ
2. 利き手との関係

以上のように軸足を決定することが出来れば、次は回り方の解説に移っていきます。

ステップ2:回り方の解説

ピルエットの回り方には2種類あります。
なおここでの説明は、普段の僕の回転方向である左足軸で説明を進めます。

<2種類の回り方>
① 軸足と逆足を前に出す方法
軸足が左足なので、右足を前に出して体を一回転させます。
② 軸足を後ろに下げる方法
軸足が左足なので、左足を後ろに下げて体を一回転させます。

フラットの状態から練習する人に対してオススメするのは、「①軸足と逆足を前に出す方法」です。
[理由]
ピルエットの技には、短い時間で何回も回転するようなものがあります。
ex)3ボール3up3段階ピルエット(579002022)、5ボール5up2段階ピルエット(779990022)など
このような技に挑むとき、②の方法でピルエットをしていると、体がどんどん後ろに下がってしまいます。
これでは綺麗なピルエットとは言えないので、軸足と逆足を前に出して回るのをオススメします。

ただこの回り方に関しては、僕は軸足を引いて回っているので、今から練習し始める人にはこうならないように気を付けてください、とアドバイスをしておきます。

ステップ3:回る練習

ピルエットを0から練習する上で最も重要なことがあります。
それは、初めのうちは勢いをつけずにゆっくり回るということです。

軸足にしっかりと体重をかけて、軸足がぶれないように勢いをほとんどつけず、ゆっくりと回ります。
最初から勢いをつけて回ってしまうと、軸足が安定せず、後から苦労することになります。

ピルエットの手順としては次の通りです。
1. 軸足を固定する。
2. 逆足を前に出す。
3. 少しだけ地面を蹴って、ゆっくり一回転する。
軸足に体重が乗っていることを意識しながら練習しましょう。

~~~軸足をぶらさずにゆっくり回れるようになったら~~~
ゆっくり回れるようになれば、少しずつ勢いをつけていきます。
この時、勢いのつけ方は2種類あります。

<2種類の勢いのつけ方>
① 軸足と逆足で地面を蹴る
左足を軸足でピルエットしている人は、右足を前に出して右足で地面を蹴ります。
② 腕を体に引き付ける
トスジャグリング中は腕が体の前に出ています。
この腕を体に引き付けることで勢いをつけます。

なお、ピルエットするときの腕はなるべく体に寄せます。
腕の寄せ方は、胸の前でクロスしたり、気を付けの姿勢など基本的に自由ですが、僕個人の意見としては、胸の前でクロスするのをおすすめします。
もしピルエット時に腕を広げてしまうと、全然早く回ることが出来ません。
理系の人に説明する場合は、「角運動量保存の法則」と言えばわかりやすいと思います。
これをものすごく簡単に説明すれば、腕を伸ばしていると回るのが大変だよね~、腕をなるべく体に近づけて素早く回ろう、といった感じになります。

ピルエットの練習し始めは、丁寧に丁寧に練習することをオススメします。
僕自身、かなり力任せにピルエットを練習してきた自覚があるので、色々な技は出来るけど、あまり綺麗なピルエットではないと思っています。

ピルエットを最初から練習する人は、以下の手順を確認しながら練習しましょう。
1. 軸足を固定して
2. 勢いはつけずに
3. 軸足に体重を乗せて
4. ゆっくり回る
最初は丁寧に練習すれば、綺麗なピルエットが身につき、上達も早くなると思います。

今回の解説はここまでです。
次回は、実際にボールを使ったトスジャグリングの中でのピルエットについて解説します。
最後までご覧いただきありがとうございました。