最後に、2019年度からの新出題区分において、3級へ加わった新論点を紹介しておきます。

普通預金と定期預金

普通預金口座に預け入れたとき

① A商店は、現金100円を佐藤銀行の普通預金口座に預け入れた。

(普通預金)100 (現金)100

普通預金は資産に分類されます。
現金を普通預金口座に預け入れたときは、手元の現金(資産)が減り、普通預金(資産)が増えます。

定期預金口座に預け入れたとき

② A商店は、佐藤銀行の普通預金口座から定期預金口座に100円を預け入れた。

(定期預金)100 (普通預金)100

普通預金は、いつでも預け入れと引き出しが出来ますが、定期預金は原則として満期時のみ引き出しが可能です。
預入期間は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、5年など様々です。
なお、定期預金でも預け入れはいつでも出来ます.

定期預金は資産に分類されます。
普通預金口座から定期預金口座に預け入れた場合は、普通預金(資産)が減り、定期預金(資産)が増えます。

差入保証金

③ A商店は、店舗の賃借にあたって、敷金100円を現金で支払った。

(差入保証金)100 (現金)100

会社が事務所や店舗物件を借りるとき、敷金や保証金を差し入れることがあります。
敷金や保証金は退去時に返してもらうことが出来ます。
この場合の、差し入れた敷金や保証金などの退去時に返してもらえる権利は、差入保証金さしいれほしょうきん(資産)で処理します。

④ A商店は、借りていた店舗の退去時に敷金100円が返還された。

(現金)100 (差入保証金)100

借りていた事務所や店舗物件の退去時に差し入れていた敷金や保証金が返還されたときは、差入保証金(資産)の減少として処理します。

貯蔵品

⑤ 3月31日、決算日において、郵便切手50円分と収入印紙70円分が残っている。いずれも当期に購入したもので、購入時に郵便切手は通信費、収入印紙は租税公課で処理している。

(貯蔵品)120 (通 信 費 )50
       (租税公課)70

郵便切手やはがき、収入印紙が決算日において残っている場合には、残っている分だけ、通信費(費用)租税公課(費用)から貯蔵品(資産)に振り替えます。

・再振替仕訳
決算日において、貯蔵品(資産)に振り替えた費用は、翌期首に前期の決算日に行った仕訳の逆仕訳をして振り戻します。

(通 信 費 )50 (貯蔵品)120
(租税公課)70

法定福利費

⑥ A商店は、従業員の健康保険料と厚生年金保険料について、会社負担分である100円を現金で納付した。

(法定福利費)100 (現金)100

健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料は、基本的に会社と従業員で折半して納付します。
このうち、会社負担分の社会保険料については、法定福利費(費用)で処理します。

従業員負担分と会社負担分を合わせて納付したとき

(1) 給料支払時の仕訳
給料支払時に給料から差し引いた従業員負担分の社会保険料は、預り金(負債)または社会保険料預り金(負債)として処理します。

(例1) 給料1,000円について、従業員負担の健康保険料100円及び厚生年金保険料150円を控除した残額を現金で支払った。
(給料)1,000 (社会保険料預り金)250
       (  現  金  )750

(2)社会保険料の納付時の仕訳
従業員負担分の社会保険料と会社負担分の社会保険料を合わせて納付したときは、従業員負担分については預り金(負債)または社会保険料預り金(負債)の減少で処理し、会社負担分については法定福利費(費用)で処理します。

(例2)健康保険料と厚生年金保険料について、従業員負担額250円と会社負担額250円を合わせて現金で納付した。
(社会保険料預り金)250 (現金)500
(法 定 福 利 費 )250

今回新たに出てきた勘定科目

・資産
普通預金、定期預金、差入保証金、貯蔵品

・負債

・純資産

・費用
法定福利費

・収益