日常生活において必要不可欠な消耗品というものがあります。
消耗品は使ってなければ資産ですが、使ってしまうと費用になります。
今回は、消耗品の処理について解説していきます。
目次
消耗品とは
コピー用紙やティッシュペーパーなど、すぐに使って無くなってしますものを消耗品と言います。
消耗品は、使っていなければ資産ですが、使ってしまったら費用となります。
つまり、消耗品については資産とも費用とも捉えることが出来ます。
捉え方によって処理の方法が異なるので、消耗品の処理には2通りの方法があります。
順番に確認していきましょう。
資産処理の場合
まず1つ目は、消耗品を買ったときに消耗品(資産)で処理し、後で使った分を消耗品費(費用)に振り替える方法です。
この方法を資産処理(または資産主義)と言います。
消耗品を購入した時
① A商店は、コピー用紙(消耗品)100円を購入し、現金で支払った。なお、購入時に消耗品(資産)で処理する方法による。
(消耗品)100 (現金)100
今回の例では資産処理なので、消耗品を買ったときに、消耗品(資産)の増加として処理します。
決算日の仕訳
消耗品については、決算日に、決算整理仕訳というものを行う必要があります。
詳しくは後ほど説明しますが、消耗品について決算日に追加で仕訳が必要であると認識してください。
購入時に消耗品(資産)として処理している場合は、決算日において、使った分を消耗品(資産)から消耗品費(費用)に振り替えます。
② 3月31日、決算日において消耗品100円のうち、すでに使用した分は80円、未使用分は20円である。なお、消耗品は購入時に消耗品(資産)として処理している。
(消耗品費)80 (消耗品)80
<考え方>
購入時の仕訳: (消耗品)100 (現金)100
⇨使った分だけ消耗品を減らす
決算日の仕訳: (消耗品費)80 (消耗品)80
⇧当期に使った分だけ、費用が計上される
⇧また、来期に残る消耗品が計上される
費用処理の場合
次に2つ目は、消耗品を買ったときに消耗品費(費用)で処理し、後で残っている分を消耗品(資産)に振り替える方法です。
この方法を費用処理(または費用主義)と言います。
消耗品を購入した時
③ A商店は、コピー用紙(消耗品)100円を購入し、現金で支払った。なお、購入時に消耗品費(費用)で処理する方法による。
(消耗品費)100 (現金)100
今回の例では費用処理なので、消耗品を買ったときに、消耗品費(費用)の増加として処理します。
決算日の仕訳
購入時に消耗品費(費用)として処理している場合は、決算日において、残った分を消耗品費(費用)から消耗品(資産)に振り替えます。
④ 3月31日、決算日において消耗品100円のうち、すでに使用した分は80円、未使用分は20円である。なお、消耗品は購入時に消耗品費(費用)として処理している。
(消耗品)20 (消耗品費)20
<考え方>
購入時の仕訳: (消耗品費)100 (現金)100
⇨残った分だけ消耗品費を減らす
決算日の仕訳: (消耗品)20 (消耗品費)20
⇧当期に使った分だけ、費用が計上される
⇧また、来期に残る消耗品が計上される
以上のように、消耗品の処理には2通りの方法があります。
しかし、決算日の仕訳を終えると、どちらの方法も、借方貸方に残っている勘定科目は全く同じで、以下のようになります。
(消耗品)20 (現金)100
(消耗品費)80
試験ではどちらの場合も聞かれるので、両方で考えられるようにしてください。
今回、新たに出てきた勘定科目
・資産
消耗品
・負債
ー
・純資産(資本)
ー
・費用
消耗品費
・収益
ー