まず最初に、簿記2級の基礎について解説します。
簿記2級とは言っても、基本的には3級の延長です。
2級から新たに登場する内容について、簡単に紹介します。

株式会社

3級では小さなお店(個人事業)の簿記を学習しました。
2級になると株式会社の簿記を勉強します。

株式会社になることで、以下のような取引が発生します。
・株式の発行
・増資
・当期純利益の計上
・剰余金の配当など

法人税等と消費税

3級では租税公課の学習をしました。
2級になると法人税等や消費税の処理も出てきます。

具体的には以下のような取引が発生します。
・法人税等を納付
・課税所得の算出
・消費税の支払
・消費税の受取など

銀行勘定調整表

2級では新たに、銀行勘定調整表という修正仕訳を勉強します。
これは、当社の帳簿上の当座預金残高と銀行の当座預金残高が異なる時に登場します。

例えば、当社で当座預金の処理を行ったにも関わらず、銀行側で処理がされていない場合や、逆に銀行側で当座預金の処理を行ったにも関わらず、当社で処理をしていない場合などです。
このとき、両者の預金残高に差異が生じ、この差異を調整する必要があります。
この調整を行う時に、銀行勘定調整表を用います。

リース取引

2級では新たに、リース取引を勉強します。

会社は備品を手に入れるとき、必ずしも購入しているわけではありません。
一定期間備品を借りて、使用料を支払う契約をすることで、購入せずに備品を使用することが出来ます。
この取引を、リース取引と言います。

外貨換算会計

2級では新たに、外貨換算会計を勉強します。

今までは国内だけで取引をしていましたが、ここでは外国企業との取引を考えます。
この場合、取引額は外貨(ドル)建てですが、帳簿に記録する時には円貨建てに直す必要があります。
この処理を、外貨換算会計と言います。

税効果会計

2級では新たに、税効果会計を勉強します。

法人税等は税法上の利益(課税所得)に税率を掛けて計算します。
そして、損益計算書において税引前当期純利益から法人税等を控除します。

・会計上の利益(税引前当期純利益)は収益から費用を差し引いて計算します。
・一方で、税法上の利益(課税所得)は益金から損金を差し引いて計算します。
会計上の収益費用と税法上の益金損金の範囲はほとんど同じですが、なかには分類が異なるものもあります。

損益計算書における不一致を処理することを、税効果会計と言います。

本支店会計

2級では新たに、本支店会計について勉強します。

会社の規模が大きくなれば、様々な地域に支店を出店することがあります。
このように本店と支店がある場合の会計制度を本支店会計と言います。

本支店会計では以下のような取引が発生します。
・現金や商品の送付
・買掛金の支払い
・本支店合併財務諸表の作成
・内部取引の相殺など

連結会計

2級では新たに、連結会計について勉強します。

株式会社の株主総会は、株主で構成され、基本的な方針や重要な事項を決定する意思決定機関です。
したがって、ある企業が他の企業の発行済株式の全部を取得した場合、ある企業は他の企業の唯一の株主となり、基本的事項を決定することが出来ます。

このようにある企業が他の企業の意思決定機関を実質的に支配しているとき、ある企業を親会社、他の企業を子会社と言います。
また、ある企業と他の企業の関係を支配従属関係と言います。

決算日において支配従属関係にあるとき、親会社は連結財務諸表を作成する必要があります。
この時の処理を、連結会計と言います。

今回は簡単に紹介だけしましたが、これから詳しく解説していきます。
少しずつ勉強していきましょう。