今回の範囲は、銀行勘定調整表、固定資産、リース取引、有価証券です。

銀行勘定調整表

銀行勘定調整表

次の資料に基づいて、修正仕訳をしなさい。なお、仕訳が不要な場合は「仕訳なし」と記入しなさい。
[資料]当社の当座預金残高と銀行残高証明書残高が一致していなかったので、その原因を調べたところ、次のことが判明した。
1. 現金6,000円を当座預金に預け入れたが、銀行では翌日入金としていた。
2. 仕入先に対する買掛金2,000円の当座預金による支払いを3,000円と誤記していた。
3. 仕入先に対する買掛金1,500円の支払いのために作成した小切手が、未渡しであった。
4. 仕入先に対する買掛金4,000円が当座預金口座から支払われていたにも関わらず、当社への連絡が未達であった。
5. 得意先から受け入れた小切手8,000円について、銀行がいまだ取り立てていなかった。
6. 仕入先に対する買掛金を支払うために振り出した小切手6,000円がいまだ銀行に呈示されていなかった。
7. 広告費800円の支払いのために作成した小切手が、未渡しであった。

解答

1. 仕訳なし
2. (当座預金)1,000 (買掛金)1,000
3. (当座預金)1,500 (買掛金)1,500
4. (買掛金)4,000 (当座預金)4,000
5. 仕訳なし
6. 仕訳なし
7. (当座預金)800 (未払金)800

固定資産

固定資産の割賦購入

8. 岐阜商会は、備品24,000円を8ヵ月の分割払い(月々の支払額は3120円)の契約で購入した。ねお、利息分については前払利息で処理する。
9. 8で購入した備品の代金について、第1回目の割賦金の支払日が到来したので、現金で支払った。なお、利息の処理は、支払日に定額で費用計上する方法とする。

解答

8. (備品)24,000 (未払金)24,960
  (前払利息)960
9. (未払金)3,120 (現金)3,120
  (支払利息)120 (前払利息)120

固定資産の減価償却(定率法)

次の各取引について仕訳しなさい。ただし、減価償却方法は定率法(償却率:20%)によって間接法により記帳する。
10. ×1年4月1日、備品58,000円を購入し、代金は据付費用2,000円とともに当座預金から支払った。
11. ×2年3月31日、決算につき減価償却を行う。
12. ×3年3月31日、決算につき減価償却を行う。
13. ×4年3月31日、決算につき減価償却を行う。

解答

10. (備品)60,000 (当座預金)60,000
11. (減価償却費)12,000 (減価償却累計額)12,000
12. (減価償却費)9,600 (減価償却累計額)9,600
13. (減価償却費)7,680 (減価償却累計額)7,680

固定資産の減価償却(生産高比例法)

14. 決算につき、車両運搬具(取得原価:400,000円、期首に購入)について、生産高比例法により減価償却を行う(記帳方法は間接法)。なお、この車両運搬具の総可能走行距離は100,000km、当期の走行距離は3,000km、残存価額は取得原価の10%である。

解答

14. (減価償却費)10,800 (減価償却累計額)10,800

固定資産の売却

[応用問題]
15. 長野商事は、×3年5月31日に備品(取得原価360,000円、購入日×1年4月1日)を260,000円で売却し、代金のうち半分は現金で受け取り、残りは翌月末に受け取ることにした。なお、備品は定額法(残存価額0円、耐用年数8年)により減価償却しており、間接法で記帳している。

解答

15. (  現 金  )130,000 (備品)360,000
  (未 収 入 金)130,000
  (減価償却累計額)90,000
  ( 減 価 償 却 費 )7,500
  (固定資産売却損)2,500

固定資産の買換え

17. ×2年4月1日、旧車両(取得原価300,000円、減価償却累計額100,000円、間接法で記帳)を下取りに出し、新車両400,000円を購入した。なお、旧車両の下取価格は80,000円であり、新車両の購入価額との差額は現金で支払った。
18. ×3年7月31日、旧車両(取得原価120,000円、期首の減価償却累計額43,200円、間接法で記帳)を下取りに出し、新車両200,000円を購入した。なお、旧車両の下取価格は50,000円であり、新車両の購入価額との差額は翌月末に支払うことにした。また、この車両は定率法(償却率:20%)で償却している。

解答

17. (  車 両  )400,000 (車両)300,000
  (減価償却累計額)100,000 (現金)320,000
  (固定資産売却損)120,000
18. (  車 両  )200,000 (車両)120,000
  (減価償却累計額)43,200 (未払金)150,000
  ( 減 価 償 却 費 )15,360
  (固定資産売却損)11,440

固定資産の除却と廃棄

19. 当期首において、備品(所得原価60,000円、減価償却費36,000円、間接法で記帳)を除却した。なお、この備品の処分価値は15,000円と見積もられた。
20. 当期首において、備品(取得原価30,000円、減価償却費24,000円、直接法で記帳)を廃棄した。なお、廃棄費用1,000円は現金で支払った。

解答

19. (減価償却累計額)36,000 (備品)60,000
  (貯蔵品)15,000
  (固定資産除却損)9,000
20. (固定資産廃棄損)7,000 (備品)6,000
              (現金)1,000

[応用問題]
21. ×1年4月1日に90,000円で購入したコンピュータを×5年3月31日に除却し、処分するまでに倉庫で保管することにした。なお、このコンピュータの処分価値は15,000円と見積もられた。当該資産は定額法(残存価額0円、耐用年数5年)により償却され、間接法で記帳している。当期分の減価償却費の計上も合わせて行う。

解答

21. (備品減価償却累計額)54,000 (備品)90,000
  ( 減 価 償 却 費 )18,000
  ( 貯 蔵 品 )15,000
  (固定資産除却損)3,000

建設仮勘定

22. 当社は倉庫を新築することになり、建設会社と契約を結んだ。その際、工事請負価額(500,000円)の一部50,000円を手付金として小切手を振り出して支払った。
23. 22の倉庫が完成し、建設会社から引き渡しを受けた。なお、工事請負価額500,000円と手付金50,000円の差額450,000円は翌月末に支払うことにした。

解答

22. (建設仮勘定)50,000 (当座預金)50,000
23. (建物)500,000 (建設仮勘定)50,000
          (未 払 金)450,000

[応用問題]
24. 建設中の建物の完成に伴い、工事代金の残額400,000円を小切手を振り出して支払い、建物の引き渡しを受けた。なお、同建物については工事代金としてすでに30,000円の支出がある。

解答

24. (建物)430,000 (建設仮勘定)30,000
          (当座預金)400,000

改良と修繕

25. 建物について定期修繕と改良を行い、代金300,000円を小切手を振り出して支払った。なお、そのうち200,000円は改良分(資本的支出)である。

解答

25. ( 建 物 )200,000 (当座預金)300,000
  (修繕費)100,000

固定資産の滅失

26. 当期首に発生した火災により、建物(取得原価700,000円、減価償却累計額500,000円、間接法で記帳)が焼失した。まお、この建物には火災保険400,000円がかけられているため、保険会社に連絡した。
27. 保険会社より、26の火災について保険金400,000円を支払う旨の連絡を受けた。

解答

26. (減価償却累計額)500,000 (建物)700,000
  ( 火 災 未 決 算 )200,000
27. (未収入金)400,000 (火災未決算)200,000
            (保険差益)200,000

[応用問題]
28. 本日、火災により焼失していた建物(取得原価400,000円、残存価額40,000円、耐用年数20年、償却方法は定額法、間接法により記帳)について請求していた保険金150,000円を支払う旨の連絡を保険会社から受けた。なお、当該建物は当期首から9年前に取得したものであり、火災(当期首に発生)により焼失した際、期首時点の帳簿価額を未決算勘定に振り替えていた。

解答

28. (未収入金)150,000 (未決算)238,000
  (火災損失)88,000

圧縮記帳

29. ×2年4月1日、A(株)は、国から国庫補助金30,000円を受け取り、当座預金口座に預け入れた。
30. ×2年7月1日、A(株)は、29で受け取った国庫補助金30,000円に自己資金40,000円を加えて建物70,000円を購入し、代金は当座預金口座から支払った。なお、この建物については補助金に相当する額の圧縮記帳(直接減額法)を行った。
31. ×3年3月31日、決算において、A(株)は当期に取得した30の建物について、定額法(残存価額0円、耐用年数20年、間接法で記帳)により月割りで減価償却を行う。なお、当期は×2年4月1日から×3年3月31日までの1年である。

解答

29. (当座預金)30,000 (国庫補助金受贈益)30,000
30. (建物)70,000 (当座預金)70,000
  (固定資産圧縮損)30,000 (建物)30,000
31. (減価償却費)2,625 (減価償却累計額)2,625

リース取引

ファイナンス・リース取引

以下の条件で契約したリース取引(ファイナンス・リース取引に該当)について、(a)利子込み法と(b)利子抜き法によって下記の日付の仕訳をしなさい。なお、利子抜き法の場合、利息相当額を定額法で配分するものとする。また、決算日は毎年3月31日である。
[条件]
リース契約日:×1年10月1日
リース期間:5年
見積現金購入価額:132,000円
年間リース料:30,000円(毎年9月30日に現金で支払い)
減価償却:残存価額0円、耐用年数はリース期間で定額法により行う。間接法で記帳。
32. ×1年10月1日(リース契約日)
33. ×2年3月31日(決算日)
34. ×2年4月1日(翌期首)
35. ×2年9月30日(リース料支払日)

解答

(a)利子込み法
32. (リース資産)150,000 (リース債務)150,000
33. (減価償却費)15,000 (減価償却累計額)15,000
34. 仕訳なし
35. (リース債務)30,000 (現金)30,000
(b)利子抜き法
32. (リース資産)132,000 (リース債務)132,000
33. (減価償却費)13,200 (減価償却累計額)13,200
  (支払利息)1,800   (未払利息)1,800
34. (未払利息)1,800   (支払利息)1,800
35. (リース債務)26,400  (現金)30,000
  (支払利息)3,600

オペレーティング・リース取引

×1年8月1日において、リース契約(オペレーティング・リース取引に該当)を締結し、リース期間5年、年間リース料24,000円(毎年7月31日に現金で支払い)で備品を取得した。この場合における下記の日付の仕訳をしなさい。なお、決算日は毎年3月31日である。
36. ×1年8月1日(リース契約日)
37. ×2年3月31日(決算日)
38. ×2年4月1日(翌期首)
39. ×2年7月31日(リース料支払日)

解答

36. 仕訳なし
37. (支払リース料)16,000 (未払リース料)16,000
38. (未払リース料)16,000 (支払リース料)16,000
39, (支払リース料)24,000 (現金)24,000

有価証券

有価証券(株式)の購入と売却

40. 売買目的で、奈良商事株式会社の株式を1株あたり@200円で30株購入し、代金は売買手数料300円とともに現金で支払った。
41. 40の奈良商事株式会社の株式のうち10株を1株あたり@190円で売却し、代金は現金で受け取った。

解答

40. (売買目的有価証券)6,300 (現金)6,300
41. (  現  金  )1,900 (売買目的有価証券)2,100
  (有価証券売却損)200

有価証券(公社債)の購入と売却

42. 売買目的で、大阪商事株式会社の社債6,000円(額面総額)を、額面100円につき95円で購入し、代金は売買手数料60円とともに現金で支払った。
43. 所有する42の大阪商事株式会社の社債6,000円(額面総額)を額面100円あたり98円で売却し、代金は現金で受け取った。

解答

42. (売買目的有価証券)5,760 (現金)5,760
43. (現金)5,880 (売買目的有価証券)5,760
         (有価証券売却益)120

売買目的有価証券

44. 売買目的で高知商事(株)の株式100株を1株あたり@400円で購入し、代金は売買手数料100円とともに月末に支払うことにした。
45. 売買目的で高知商事(株)の株式100株をを1株あたり@450円で追加購入し、代金は売買手数料100円とともに月末に支払うことにした。
46. 高知商事(株)から配当金領収証1,200円を受け取った。
47. 高知商事(株)の株式150株を1株あたり@460円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。なお、当社は株式について平均原価法により記帳している。
48. 決算につき、売買目的で保有する高知商事(株)の株式50株を時価(@430円)に評価替えする。

解答

44. (売買目的有価証券)40,100 (未払金)40,100
45. (売買目的有価証券)45,100 (未払金)45,100
46. (  現  金  )1,200 (受取配当金)1,200
47. (未収入金)69,000 (売買目的有価証券)63,900
            (有価証券売却益)5,100
48. (売買目的有価証券)200 (有価証券評価益)200

満期保有目的債権

49. ×2年4月1日、満期保有目的で徳島物産(株)の社債(額面総額80,000円)を額面100円につき97円で購入し、代金は月末に支払うことにした。なお、当該社債の満期日は×6年3月31日である。
50. ×2年9月30日、徳島物産(株)の社債につき、社債利札400円の期限が到来した。
51. ×3年3月31日、決算日を迎えた。なお、徳島物産(株)の社債の額面金額と取得価額との差額は金利調整差額と認められ、償却原価法(定額法)によって処理する。

解答

49. (満期保有目的債権)77,600 (未払金)77,600
50. (  現  金  )400 (有価証券利息)400
51. (満期保有目的債権)600 (有価証券利息)600

子会社株式・関連会社株式

52. ×1年12月1日、支配目的で群馬商会(株)の株式1,000株を1株あたり@200円で購入し、代金は月末に支払うことにした。
53. ×2年3月31日、決算日を迎えた。決算日における群馬商会(株)の1株あたりの時価は@210円である。

解答

52. (子会社株式)200,000 (未払金)200,000
53. 仕訳なし

その他有価証券

54. ×1年6月1日、業務提携のため、栃木商事(株)の株式200株を1株あたり@300円で購入し、代金は月末に支払うことにした。
55. ×2年3月31日、決算日を迎えた。決算日における栃木商事(株)の1株あたりの時価は@330円である。なお、その他有価証券の評価は全部純資産直入法を採用している。
56. ×2年4月1日、翌期首を迎えた。

解答

54. (その他有価証券)60,000 (未払金)60,000
55. (その他有価証券)6,000 (その他有価証券評価差額金)6,000
56. (その他有価証券評価差額金)6,000 (その他有価証券)6,000

端数利息

57. ×2年10月20日、かねて売買目的で額面100円につき96円で購入していた社債(額面総額50,000円)を額面100円につき97円で売却し、代金は前回の利払日の翌日から売買日までの利息とともに小切手で受け取った。なお、この社債は利率年7.3%、利払日は6月末、12月末の年2回で、端数利息は1年を365日として日割り計算する。
58. ×3年5月25日、売買目的で額面総額60,000円の社債を額面100円につき98円で購入し、端数利息とともに小切手を振り出した支払った。なお、この社債は利率年7.3%、利払日は3月末、9月末の年2回で、端数利息は1年を365日として日割り計算する。

解答

57. (現金)49,620 (売買目的有価証券)48,000
          (有価証券利息)1,120
          (有価証券売却益)500
58. (売買目的有価証券)58,800 (当座預金)59,460
  (有価証券利息)660

今回はここまでです。お疲れさまでした。